鉄芽球性貧血と輸血
鉄芽球性貧血は完治する病気
鉄芽球性貧血は貧血の中でも特殊なものです。一般的な貧血であれば鉄分が不足することで症状を引き起こします。しかし、鉄芽球性貧血は鉄分を十分に摂取していても、その鉄分を利用することができないために発症するのです。
ですが、特殊とはいえ、決して難しい病気ではなく適切な治療が行われれば完治も難しくはありません。
しかし、場合によっては非常に難しい病気にもなり得るのが鉄芽球性貧血の特徴でもあります。
遺伝によるものは簡単な病気ではない
難しい病気になり得る鉄芽球性貧血は遺伝によるものです。多くの場合は、外的な要因によって発症する後天性のものですが、両親が鉄芽球性貧血の場合など、遺伝による先天性の鉄芽球性貧血もあります。
これは主に幼児期以降に発症する確率が高く、幼児で鉄欠乏性貧血が疑われる場合には遺伝によるものの可能性が高いです。
遺伝による鉄芽球性貧血が難しい病気だといえる理由。それは、難病指定されているからです。
輸血しか治療方法がない
なぜ遺伝による鉄芽球性貧血が難病指定されているのでしょうか。後天性の鉄芽球性貧血の場合は治療によって完治しますが、遺伝によるものの場合は治療方法がありません。遺伝の場合は主に輸血が行われますが、輸血で完治はしません。
また、輸血以外の方法では、造血幹細胞移植があります。これは有効な治療方法だとされていますが、まだ前例がほとんどありません。つまり、実質輸血しか方法はないということです。
また、輸血をする際にも注意が必要になります。輸血をすると体内に鉄分が溜まっていくという状態になります。これを放置すると合併症を引き起こす原因にもなるため、鉄キレート剤による鉄分の排出促進も重要です。
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